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2022年(令和4年)千葉県立高校入試解説(数学)その②(分析・講評)

どうも、はるです。

前回に続き、今年(2022年)の千葉県立高校の入試の数学について、解説していきたいと思います。

◯全体的な傾向
形式 :記述・選択式の混合型。作図や証明記述も出題されました。ここは例年通りです。
難易度:やや難化。
分量 :大問数は例年の5つから4つに変更されました。小問数(解答数)が22問から、26問に増加。1問あたりの配点が低い問題が増加し、昨年は、1問5点の問題が16問、今年は、1問3点の問題が16問になりました。

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1問あたりの配点と小問数

 

◯サラッと全体感を把握
大問1は小問集合で、各領域の基本的な計算問題が出題されました。ここで、作図も出題されました。配点は51点分ありました。

大問2は関数で、直線の式を求める問題が出題され、二次関数・一次関数・図形の性質についての理解が問われました。(3)はシンプルな設定のため、記載されている情報(ヒント)が少なく、方針を立てることが難しかったと思われます。

大問3は平面図形で、図形の証明・図形の面積比が問われました。線分の長さが等しいことを示すために、合同な三角形を探すことは頻出ですが、今回は誘導があったので、少し難易度は低かったです。(3)は中点連結定理を使って、三角形と四角形の面積比を求める問題でした。

大問4は一次関数・速さの問題で、円弧を移動する2つの動点に関する出題でした。設定としては難しかったですが、会話文にしたがって状況を把握できれば、そこまで苦戦せずに解けたと思います。しかし、難易度が高いことには変わりありません。実際に受験した生徒さんは、非常に揺さぶられたことでしょう。

 

◯講評

大問1(小問集合)は、基本的な計算力、知識が問われました。(3)②の箱ひげ図の問題は、少し考えにくい問題でした。具体的に数を与えてみて、その結果、箱ひげ図がどうなるか?を考えてからイメージをつけておくと方針が立てられたと思います。

大問2(関数)の(1)(2)は基本的な問題でした。(3)は、図形の性質を利用して、直線の式を求める問題でした。補助線を引いて相似な図形を作り、線分比から点の座標を求めます。最後に、2点の座標から直線の式を求めます。与えられた情報(ヒント)が少なく、自分で方針を立てるのが難しい問題でした。

大問3(平面図形)の(1)(2)は証明問題で、文章を記述する必要がありました。しかし、証明自体は基本的なものでした。(3)は三角形と四角形の面積比を求める問題。補助線を引く必要はなかったので、「中点」「平行線」という情報から、「中点連結定理」を使うことに気付けるかどうかがポイントでした。最後に、前半で示した合同な三角形と、注目する四角形(台形)の高さが共通なので、面積比を計算することができます。四角形と三角形の面積比ということで、方針が立てにくかったかもしれませんが、落ち着いて与えられた情報・そこからわかった情報を図に書き入れて、面積を考えていくと答えに辿り着きます。とはいえ、難易度は高いですね。

大問4(一次関数・速さ)は、会話文で誘導されているので文章を読む量が多く、読解力が必要とされました。発想力を必要とする問題ではなく、問題文から方針が立てられますが、速さ・一次関数とグラフの理解が問われていて難易度は高いです。速さの文章題などで頻出の、兄と弟が時間差で出発する系の問題が得意な生徒さんは奮闘できたのではないでしょうか。